治療効果

当クリニックの治療が効果的だった疾患・病態

当クリニックでは、通常の西洋医学を否定することはありません。これまでに受けていた西洋医学的な治療と併用する患者さんも多くいらっしゃいます。科学が発展してきてはおりますが残念ながら現在の医療では、たちどころに病気を治せる状況ではありません。西洋医学で不十分なことも多々あります。また、当クリニックの治療で不足するものも多々あるのが現状です。いろいろな知恵を振り絞って快適な毎日を送れるようにするお手伝いをするのが、当クリニックの立場です。

東京女子医科大学附属東洋医学研究所や同附属青山自然医療研究所そして当クリニックでの治療経験を振り返ってみると、通常のいわゆる西洋医学で改善出来ない、あるいは改善しにくい症状を改善させることは可能です。
悪性腫瘍の末期的状況で辛いのは痛みでしょう。一般的に、近年では麻薬の使い方が上手になってきたこと、使いやすい薬物が市場に出てきたことで悪性腫瘍での痛みの治療が昔よりは、遥かに進歩しております。しかし、効果が不十分なこともあります。膵臓癌の末期では痛みが酷くなるのが有名ですが、そのような痛みを伴う膵臓癌で肝臓に転移があった患者さんでも、当クリニックの治療を併用してモルヒネの使用量を減らすことができた例もあります。手術をしたくないという乳癌の患者さんでは皮膚表面に大きな皮膚潰瘍が出ることがあり、悪臭を伴い本人や家族を悩ませることが多いのです。このような状態でも当クリニックの治療を併用すると悪臭が減ってきます。最も匂いで困ったと考えられる臨床経験では、鼻に癌が出来た患者さんがいらっしゃいました。発症からかなり時間が経っており、初診時には痩せ細り、トイレにも自力では行けない状況でした。当初は鼻の内腔に現局していた癌が大きくなり、初診時には鼻の皮膚表面にも大きな腫瘤を形成しており、更に腫瘤表面には広範囲に潰瘍が出来ておりました。潰瘍ができるのは局所の組織が壊死していることを意味します。その匂いが大変なのです。この患者さんは右の鼻腔が原発でしたが、左の鼻では匂いを感じることができたのです。自分の体からは逃げる事ができません。綿花を利用した、班目式間接灸と気診治療の組み合わせで治療したところ、徐々に悪臭が軽減してきました。綿花を利用した、班目式間接灸ならば、自宅でご家族の助けを借りて治療の頻度を増やせます。通院にも肉体的には相当の負担がかかる状況でしたので、患者さん本人のみならずご家族に大変喜ばれました。

胃癌腹膜播種症例

腹膜面全体に胃癌が転移したため、消化管の動きが悪くなり強い吐き気が続いていた患者さんは食事が摂れない状態でした。治療により吐き気は改善し、量は少ないもののご飯を食べられるようになりました。

不安感改善

癌があると言われただけで、眠れなくなる方がいるほどです。癌患者さんの精神状態を調べると、半分以上の患者さんが抑鬱状態にあることが判明しております。がんに限らず、闘病期間が長くなると不安が出てくるのは当たり前のようにあります。当クリニックの治療を受けて体調が良くなると不安感は解消する事が多いのです。

悪性腫瘍の患者さんの皮膚・頭髪について

癌を始めとする悪性腫瘍の治療では化学療法を受けることが多く、その副作用で頭髪が抜けることが多いです。また、皮膚のみならず爪の色調が黒ずんできて、乾燥してさらに悪くなることが多いのです。当クリニックの治療を受けると肌がしっとりしてきて、黒ずんだ皮膚も下の色に戻ることが多いのです。頭皮の血行も改善し、抜けた毛髪も再び生えてきやすくなります。これは局所の血液の流れが良くなり、顆粒球が多かった状態からリンパ球が多い状態になったことを意味します。

腎癌肺転移の患者さん

原発巣である腎臓は摘出手術を受けており、その後肺に転移した状態で受診された患者さんです。治療開始後約1年で肺の転移巣が消失しました。

乳癌の手術後に放射線治療を受ける直前に受診した患者さん

初診時には876個のリンパ球でしたが、自律神経免疫治療を併用しながら受けた放射線治療後には1833個に増加しており、放射線治療による副作用もありませんでした。放射線治療では白血球およびリンパ球数が減少することが多いのですが、自律神経免疫治療と併用することで白血球は減少することなく、またリンパ球数が理想的に近づくほど増加しました。

乳癌の手術後骨転移を発見された患者さん

某病院で手術・化学療法・放射線治療後経過観察中に肋骨転移を発見されました。ホルモン治療中。自然治癒力を高めたく受診。身体所見では、起床時に二の腕が冷たい。生活環境では寝室は寒い、深夜2-3時中途覚醒。湯たんぽを使い身体を十分に加熱保温すると体調が良くなり、中途覚醒もなくなりました。按腹後3回/日の便が1回/日になり、排便後爽快感が出現。初診から3ヵ月後の骨シンチで hot nodule消失。骨転移が消失・改善。肌の肌理が整ってきました。骨に転移した癌は末期的と考えるのが標準的です。しかし、骨は日々に代謝を行っている部位なので、身体にとってよい刺激を加えると改善するのも速いのです。この症例ではホルモン治療の併用も効果的であったと考えられます。

乳癌が消失した患者さん

48才女性。帰宅時間が12時を過ぎるような仕事に従事。職場の人間関係が悪く、多方面に気を使う生活が続いていた。円形脱毛を数回経験するほど精神的に負担が大きかった。失恋を契機に不眠症となった。その後右乳房のしこりに気づき、他医で乳癌と診断されました。。

現病歴:手術を勧められたが、「免疫革命」など安保先生の著書から班目の治療を希望。治療効果が出ない時には手術を勧めるも手術は絶対にイヤ!少なくとも定期的な検査を約束。

治療:自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療。3年半を要したが、乳癌専門医の診断では超音波検査上では腫瘤が消失した。

初診時の超音波検査の画像

初診時の超音波検査の画像

腫瘍消失時の超音波像

腫瘍消失時の超音波像

乳癌専門医が経過を観察していましたが、印のついた部位に腫瘤があったはずですが、この検査を受けた時点では腫瘤とはいえない、という診断でした。

癌以外の難病に対する効果

当クリニック院長班目は約30年前から慢性疲労症候群(CFS)および線維筋痛症(FM)の治療に携わってきました。自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせで慢性疲労症候群の治療を始めてから、20年以上経ちました。2011年の日本疲労学会および日本線維筋痛症学会で治療成績を発表しました。 慢性疲労症候群では42%、線維筋痛症では35%の治癒率でした。 慢性疲労症候群とは疲労倦怠感が著しく、日常生活を営むことすら困難になる病気です。しかし、検査をしても異常はみられないため、『怠け病』のように扱われることもある病気です。 線維筋痛症とは全身の痛みが著しい病気です。こちらも慢性疲労症候群と同じく、たくさんの検査を受けても異常がみつからないという特徴があります。 慢性疲労症候群と線維筋痛症は合併することが多く、患者さんはもとより治療する立場の医師も有効な治療法が少ないために苦悩する病気です。

初診時と再診の1~2回だけの診察のため、経過がわからない患者さんを含めたものが総症例です。疲労倦怠感や疼痛の経過が判定できるのが3回以上受診した症例となります。慢性疲労症候群では3回以上受診した症例では治癒率が42%、線維筋痛症では3回以上受診した症例では治癒率が35%でした。

当クリニックの治癒率

自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせた治療法の治癒率が高い、といってもすぐによくなるのではありません。病的な状態が改善するためには、ある程度の治療期間が必要です。治癒した慢性疲労症候群の患者さんの疲労倦怠感の指標である、performance status ( PS )の変化を示します。平均では初診時には5を超えておりましたが、湯たんぽなどで身体を加熱・保温しただけでもPSは1.5程度の改善をみております。その後ある程度落ち着くまでには9ヶ月を必要としております。班目が自律神経免疫治療(刺絡)と気診治療の組み合わせの治療を開始する以前は保険診療で、漢方治療を行っていました。その当時は最高にうまくいっても慢性疲労症候群が治癒し、社会復帰するまでは2年はかかりました。線維筋痛症では治癒例がほとんどない状態でした。線維筋痛症では身体を十分に加熱・保温した症例が治癒しており、それがいまの治療のヒントになっております。

CFS治癒症例

第7回日本疲労学会、第3回日本線維筋痛症学会シンポジウムで発表


その後綿花を利用した班目式間接灸の治療例が多くなると、改善に必要な期間が大幅に短縮されてきました。刺絡を中心とした治療では治癒の目処が立つまでに9ヶ月間必要でしたが、綿花を利用した班目式間接灸を中心とした治療では3~4ヶ月で目処がたつ症例が増えてきました。

新型コロナウイルス感染症後遺症(Long covid 19)の多くに見られる著しい疲労倦怠感は、CFSで見られる著しい疲労倦怠感に匹敵するものです。当クリニックで行っている治療で解決した患者さんも増えてきております。

慢性疲労症候群に対する気診治療の効果

慢性疲労症候群で長期間performance status が改善しなかった患者さんを対象に、気診治療の効果を検討したことがあります。通常の西洋医学的に効果的だった向精神薬、十分に考慮した漢方薬、生活指導などを行っても2年以上performance status が変化しなかった症例を対象に気診治療の効果を検証しました。

慢性疲労症候群に対する気診治療

1~2回/週の気診治療8週間がきっかけになり、8名のうち3名が社会復帰しました。

関節リウマチに対する気診治療の効果

関節リウマチに対する気診治療

この図はかつて所属していた東京女子医科大学附属東洋医学研究所で経験した、関節リウマチの患者さんの経過です。γ-グロブリンは慢性炎症の指標です。西洋医学の治療だけでは改善しなかった腰の苦しさは漢方治療でも改善できませんでした。治療担当者の退職に伴い班目が担当するようになり、気診治療だけで腰の苦しさが改善しました。さらに漢方薬を変更し、気診治療を併用したところ、ほかの症状および検査データの改善がみられました。 レントゲンで観察しても骨の変形が改善し、ここまでよくなることは珍しいとリウマチの専門家にほめられた症例です。